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ジスロマックがクラミジアに効果があるわけ

病原体

クラミジアの治療は、アジスロマイシンと呼ばれる抗菌剤を主成分とするジスロマックが有効です。アジスロマイシンは抗菌作用を持ち、クラミジアの病原菌が体内で増殖するのを抑制する働きがあります。アジスロマイシンによって増殖を阻止された病原菌は少しずつ数を減らし、最終的に人間の免疫細胞に攻撃されて死滅することで病気が治癒します。もしも治療をせずに放置すると人の免疫細胞が殺傷するよりも速いペースで病原菌が数を増やし続けるので、いつまで経っても体内の病原体を完全に死滅させることができません。

細菌の細胞内は、自身の体を構成する蛋白質を合成するためにリボソームと呼ばれる器官を備えています。ジスロマックの有効成分であるアジスロマイシンは、病原体の細胞内にあるリボソームに含まれる50Sサブユニットと呼ばれる部分に結合する性質を持っています。アジスロマイシンが50Sサブユニットに結合をすると、リボソームが正常に働かずに細胞を作るための蛋白質を合成することができなくなります。ジスロマックはリボソームの働きを抑制することで病原体の増殖を防ぎ、抗菌作用を発揮します。

アジスロマイシンは病原菌を直接殺傷するのではなく、細胞分裂をして増殖をするための活動を阻止する働きを持つ抗生物質です。このように病原菌の増殖を抑制する作用を静菌効果と呼び、病原菌が増殖をするタイミングで細胞分裂を抑制することで治療効果を発揮します。アジスロマイシンは静菌効果を持つ抗生物質であり、病原体が細胞分裂をする時にだけ効果を発揮します。ちなみに50Sサブユニットは細菌のリボソームにだけ含まれていて、人間の細胞内には存在しません。このため、アジスロマイシンによって人の細胞分裂が抑制されるようなことはありません。

クラミジア・トラコマチスは、粘膜細胞に感染した後に約72時間(3日間)の周期で爆発的な増殖を繰り返しながら体内で数を増やすという性質があります。アジスロマイシンが体内で抗菌作用が持続する期間は服用後10日ほどなので、この間に病原菌は2~3回ほど増殖ピークを迎えることになります。病原体が体内で増殖をする時に抗菌作用を発揮し続けるので、この間に免疫細胞が病原体を攻撃して死滅させることで病気が治癒する仕組みです。ジスロマックは直接病原体を殺傷するのではなく、増殖して爆発的に数が増加するのを阻止することで免疫の働きを助ける働きをします。

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