クラミジアの症状とはどんな症状なのか?

クラミジアが感染する場所は、泌尿器・生殖器と咽頭部(のど)の粘膜の2種類です。感染する部位ごとに、違った症状が出ます。性器や咽頭部の粘膜にクラミジアの病原体が感染すると、自然治癒することはありません。人によっては無症状の期間が何年も続く場合がありますが、この間に他の人に感染をさせてしまう恐れがあります。
泌尿器や生殖器にクラミジアに感染すると、数週間かそれ以上の潜伏期間を経てから炎症などの症状を発症します。病原体は泌尿器や生殖器で増殖して炎症を引き起こしますが、男性と女性は体の構造が違うことから違う症状が出ます。
男性がクラミジアに感染して発症すると、初期の段階であれば尿道炎を起こして排尿時の痛みや残尿感・違和感などを感じる場合があります。ただしこれらの症状が出るのは全体の約半数程度で、排尿痛や残尿感を全く感じない人も少なくありません。排尿痛を感じても軽い痛みなので、この段階では病気に気がつかないケースが多いです。放置すると生殖器に感染が拡大して精巣上体炎を起こし、陰嚢部の軽い痛みや精巣上体全体の腫脹・圧痛を感じます。精巣上体炎を起こすと、病気を完治させても不妊症になる恐れがあります。
女性がクラミジアに感染すると、数週間程度の潜伏期間を経てから膣から奥のほうの子宮に病原体の感染が進んで炎症を起こします。最初に子宮頸管炎を起こし、おりものが増えたり不性器出血が見られます。白色のサラサラとしたおりものが出たり出血がありますが、この段階で痛みを感じることはありません。治療をしないで放置すると感染が奥のほうに進んで子宮付属器炎を起こして痛みを感じる場合がありますが、生理痛と思って放置されるケースがあります。感染が進むと腹膜炎や肝周囲炎を起こし、この段階になると上腹部に激しい痛みを感じます。
女性の場合は子宮頸管炎を起こすと卵管が癒着して不妊症になる恐れがありますが、8割くらいの人は自覚症状が出ないので病気に気がつかずに放置される場合が多いです。痛みを感じても、生理痛と間違われて病気の発覚が遅れる場合が少なくありません。
咽頭部の粘膜に病原体が感染すると、1~2週間ほどの潜伏期間を経てから咽頭炎や扁桃腺炎を発症します。咽頭炎や扁桃腺炎を起こすと喉の腫れや発熱などの症状が出ますが、病院で診察を受けてもクラミジアと気づかずに風邪やインフルエンザと間違われるケースが多いです。喉の炎症は自然に治まる場合がありますが、病原体はそのまま残留しているので抵抗力が弱くなった時に再発します。クラミジアに感染していることに気づかずに治療をせずに放置すると、風邪をひいた時などに扁桃腺や咽頭部の炎症を繰り返して発熱や喉の痛みに苦しむことになります。